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三尊(ヘッド&ショルダーズ)はなぜ相場転換しやすい?裏側の市場真理

  • 公開日:2018/09/04
  • 更新日:2018/10/19
  • 投稿者:n bit

三尊(ヘッド&ショルダーズ)の基本とその裏側にある市場心理について解説します。チャートの形状だけを記憶するだけではなく市場心理まで理解しておくことで様々なケースに対応しやすくなるのでお勧めです。ポジションを持つタイミングや損切り・利確のタイミングも決めやすくなりますよ。

  • テクニカル分析

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三尊(ヘッド&ショルダーズ)とは

天井圏や底値圏で見られるチャートパターンの中でも最も強力な形と言われているが三尊(ヘッド&ショルダーズ)です。有名な酒田五法の中の1つでもあります。

ヘッド&ショルダーズと言う名前からも分かるように人間の頭と両肩を描いたようなチャート形状に見えますね。

三尊(ヘッド&ショルダーズ) 頭と肩の形

トレンドの転換点を示すチャート形状

19世紀末に考案され現在でも有効的に機能すると言われているダウ理論にもリンクした考え方で、三尊の右肩で『高値切り下げ』、『安値更新』となるのでトレンドの転換を強く表しています

三尊(ヘッド&ショルダーズ) 高値切り下げ、安値更新

三尊(ヘッド&ショルダーズ)に関連する用語

三尊は天井を示すものと底値を示すもので名称が違っており

  • トレンドの天井を示すものを『三尊(ヘッド&ショルダーストップ)』
  • トレンドの底値を示すものを『逆三尊(ヘッド&ショルダースボトム)』

と呼んでいます。

センターの山が1番高くなり、その両サイドの山はセンターより低く両サイドで同じ位の高さになるのが基本形状です。センターの1番高い山は頭(ヘッド)、両サイドの山は肩(ショルダー)と言われます。

ネックライン

三尊を使ったトレード方法を考える際に重要となってくるラインが『ネックライン』です。ネックラインはヘッドとショルダーのチャートを形成しているサポートラインまたはレジスタンスラインがネックラインとなります。

トレンドの天井を示す『三尊(ヘッド&ショルダーストップ)』とネックライン

三尊であれば頭と両肩を形成しているサポートラインがネックラインとなります。サポートラインを下にブレイクしますのでここからも売り圧力になりやすいことがわかりますね。

三尊(ヘッド&ショルダーズ) 三尊のネックライン

トレンドの底値を示す『逆三尊(ヘッド&ショルダースボトム)』とネックライン

逆三尊であればその逆で頭と両肩を形成しているレジスタンスラインがネックラインです。こちらはレジスタンスラインを上にブレイクしますので強くなるのは買い圧力です。

三尊(ヘッド&ショルダーズ) 逆三尊のネックライン


三尊、逆三尊の裏側にある市場心理

三尊や逆三尊といったチャートパターンも市場に参加しているトレーダーたちによって作り出されるものですので当然その裏側には投資家の心理があるものです。

三尊が有効に働くポイントやそのチャート形状からどのような市場心理があるのか考えてみましょう。

三尊、逆三尊の出現ポイント

三尊、逆三尊は天井圏や底値圏で見られるチャートパターンですので基本的には節目での出現が重要となります。トレンドの終了を見極めるための1つのサインで、特に節目では無いようなところで三尊、逆三尊のような形状が現れてもあまり意味はありません。

多くの場合は三尊の頭部分がレジスタンスライン、逆三尊であれば頭の部分がサポートライン付近で反発しているのが一般的です。

トレンドの終わりに出現することでその形状が機能しやすい理由は市場に参加しているトレーダーの心理が影響しやすいポイントだから。この時、市場に参加しているトレーダーがどこでポジションを持っておりどこで損切り・利確を入れているのか、また、これから参入しようとしているトレーダーがどこでポジションを持とうとしているのかと言った心理が影響しています。

新規で仕掛けてくるトレーダーの心理とポジション

新規で仕掛けてくる投資家は三尊の右肩部分が形成されネックラインを下にブレイクしたときにトレンドの転換が色濃くなってきたと判断し新規の売り注文を入れてくることが多いです。

三尊(ヘッド&ショルダーズ) ブレイクポイントの売り圧力4

既に市場に参加しているトレーダーの心理とポジション

既に市場に参加しているトレーダーで三尊に強く影響してくるポジションを持つ位置は主に3箇所です。

  • 1:三尊左肩のネックライン付近で押し目買いをしたロングのポジション
  • 2:三尊頭のネックライン付近で押し目買いをしたロングのポジション
  • 3:トレンド転換点で逆張り、または1波の修正波で押し目買いしたロングのポジション

1:三尊左肩のネックライン付近で押し目買いをしたロングのポジション

この場合1のトレーダーはネックラインのすぐ下あたりで損切りを入れていることが通常です。そのためネックラインを下にブレイクした場合はロングポジションの損切りが売り圧力へと変わります。

三尊(ヘッド&ショルダーズ) ブレイクポイントの売り圧力1

2:三尊頭のネックライン付近で押し目買いをしたロングのポジション

2のトレーダーも1のケースと基本的な考え方は全く同じです。そのためネックラインを下にブレイクした場合はロングポジションの損切りが売り圧力へと変わります。

三尊(ヘッド&ショルダーズ) ブレイクポイントの売り圧力2

3:トレンド転換点で逆張り、または1波の修正波で押し目買いしたロングのポジション

3のトレーダーはポジション保持後の高値更新に合わせて決済ラインを引き上げてきますので三尊左肩が形成された時点でネックラインのすぐ下あたりに決済ラインが置かれることが多いです。そのためこちらもネックラインを下にブレイクした場合はロングポジションの利確決済が売り圧力へと変わります。

三尊(ヘッド&ショルダーズ) ブレイクポイントの売り圧力3

今日のdot

チャートパターンは形状だけを記憶してトレードに活用してしまいがちです。しかし、その裏にある市場心理までをしっかり考えながらトレードに活用することで多少チャートパターンが崩れたとしても判断材料にすることができます。

新規でポジションを持つ場合、逆張りにはなりますが私は右肩の頂点部分が左肩と同じ水平ラインあたりで揃ってきたときに売りを仕掛ける事の方が多いです。その場合三尊を否定された時でも大損しにくいのでRR的に良いと判断しています。