通貨報酬が貰えるマスターノードとは?
- 公開日:2018/03/04
- 更新日:2019/04/10
- 投稿者:n bit
インカムゲインが得られる仮想通貨のマスターノード。一体マスターノードって何なの?それが仮想通貨にどのような影響及ぼしているの?どのような役割を持っているの?報酬が得られることが先行しすぎていて重要な根本的なところが意外と理解しにくいです。今回はマスターノードの役割と報酬の関係について、ビットコインとの違いも交えながら説明してみたいと思います。
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マスターノードとは?
前回はビットコインのノードを紹介しました。
ブロックチェーンを構成するノードの機能と種類
ブロックチェーンを構成するノードの機能と種類についてのまとめ記事。ノードの持つ仕事や種類を理解していくことでブロックチェーンが詳しく分かってきます。仮想通貨ごとに少しずつ詳細が変わってきますので今回はビットコインを中心に進めていきます。
ビットコインと同じようにアルトコインにも通貨の独自機能を実現するためのノードが存在します。主にビットコインのフルノードに該当するノードで通貨ごとに少しずつ機能が違ってきます。
名称も通貨ごとにそれぞれでフルノードではなくスーパーノードやマスターノードと呼ばれているものが多いです。
マスターノードの役割
基本的な役割はビットコインのフルノードと大きな差はありません。それプラス各通貨毎の独自の機能や仕組みが足されています。
ビットコインのフルノードの主な機能は下記の4機能です。
- ルーティング
- ブロックチェーンデーターベース
- マイニング
- ウォレット
ネットワークの接続先を管理するルーティング、分散的合意形成された暗号化データをチェーン状につないで保存しているブロックチェーンデーターベース、分散的合意形成に関わるトランザクションの確認検証作業や通貨発行を行っているマイニング、そして通貨資産を管理しているウォレットです。
基本的にはこれと同じような機能をマスターノードも担っているのですが通貨毎で特に違ってくるのはマイニングの部分です。
通貨毎に違うコンセンサスアルゴリズム
ビットコインがマイニング時に行っている主な作業は下の2つです。
- 取引の承認・非承認
- 取引の2重払い防止
この様にビットコインの分散的合意形成はこのマイニングによって行われています。分散的合意形成のために利用している仕組みをコンセンサスアルゴリズムと呼びますが、このコンセンサスあるアルゴリズムが通貨毎に違っています。
Note
コンセンサスアルゴリズムとは
コンセンサス = 複数の人による合意
アルゴリズム = 問題を解くための手順を定式化した形で表現したもの
「複数の人による合意手順の定義」と理解しておけば大丈夫です。特に重要なのはただの合意ではなく複数の人による合意という所です。
多数のノードがコンセンサスアルゴリズムを利用して合意を形成しているので「分散的合意形成」がなされていると言えます。
コンセンサスアルゴリズムの種類
仮想通貨で主に利用されているコンセンサスアルゴリズムの一覧です。コンセンサスアルゴリズム | 読み | 主な仕様通貨 |
---|---|---|
PoW | Proof of Work プルーフオブワーク | ビットコイン(BTC) ビットコインキャッシュ(BCH) ライトコイン(LTC) ダッシュ(DASH) |
PoC | Proof of Consensus プルーフオブコンセンサス | リップル(XRP) |
PoS | Proof of Stake プルーフオブステーク | イーサリアム(ETH) ※ETHはPoWからPoSに移行予定 |
DPoS | Delegated Proof of Stake デリゲートプルーフオブステーク | リスク(LISK) |
PoI | Proof of Inportannce プルーフオブインポータンス | NEM(XEM) |
ビットコインのコンセンサスアルゴリズムはPoWで
- マイニングを行う ≒ PoWを利用して分散的合意形成を行っている
と考えてください。
各通貨毎のマスターノードはそれぞれのコンセンサスアルゴリズムを利用して分散的合意形成を行っていきます。ビットコインはマイニングによる分散的合意形成に参加することによって報酬を得ることができましたが、他の通貨も同じようにコンセンサスアルゴリズムを使った分散的合意形成へ参加によって報酬を得ることができます。
つまり、マスターノードを運用すると言う事は各通貨のブロックチェーンを支える
- ルーティング
- ブロックチェーンデーターベース
- コンセンサスアルゴリズムを使った分散的合意形成(ビットコインならマイニング)
- ウォレット
等の機能を担いつつ、貢献度に応じた報酬も得ることができる権利を得ると考えればよいでしょう。
報酬が貰える仕組みを持った通貨
マイニング以外にも分散的合意形成に参加して投資を得る仕組みを持っている通貨は数多くあります。
こちらのサイトにはマスターノードが運用出来る通貨の一覧が詳しい表形式で掲載されています。
上記のサイトに掲載されていないもので代表的なものいくつか紹介します。
NEM
NEMでは、ビットコインのフルノードに相当するノードをスーパーノードと呼びます。スーパーノードを運用すると報酬が貰えるように設計されています。
スーパーノードを運用するためには、3,000,000XEM必要です。18/3/4現在のレートは約37円ですので約111,000,000円分のコインが必要になります。なんと1億円越えです。NEMはスーパーノード以外にもハーベストと言う方法で報酬を得ることができます。ハーベストで運用するには10,000XEM必要です。約370,000円分のコインが必要になります。ビットコインで言うところのソロマイナーのような感じかと思います。
ダッシュ(DASH)
Dashでは、ビットコインのフルノードに相当するノードをマスターノードと呼びます。マスターノードを運用すると報酬が貰えるように設計されています。
マスターノードを運用するためには、1000DASH必要です。18/3/4現在のレートは約63,000円ですので約63,000,000円分のコインが必要になります。
まだ仕様が固まっていないマスターノード
まだ、マスターノードの運用が始まっておらず仕様も1部未確定のものです。
SHIELD (XSH)
SHIELDは、今現在のコンセンサスアルゴリズムがPoWでマイニングにより報酬を得ることができます。そして、後々PoSに移行予定となっています。
PoSに移行後ビットコインのフルノードに相当するノードをマスターノードと呼びます。マスターノードを運用すると報酬が貰えるように設計されています。
マスターノードを運用するためには、200,000XSH必要です。18/3/4現在のレートは約4円ですので約800,000円分のコインが必要になります。
報酬で利益は出るのか?
その時々のレートや、必要とされるパソコンのスペック、消費する電気量等にも左右されますが、基本的には利益が出るような仕組みになっている通貨が大半です。利益が出るのでマスターノードの運用に参入してくる人も出てきますし、それによりマスターノードが増えることで分散的合意形成の仕組みも正しく機能するようになります。
逆に考えれば、利益が出ないマスターノードの仕組みを作ってしまうと運用に参入する人が増えずマスターノードの数も増えないので、結果的にその通貨の仕組み自体の運用が不可能になります。
ただ実際に電卓を弾いて計算してみると回収にとんでもない時間がかかるものや、本当に利益を出すのはちょっと難しいのではないかと疑問を抱いてしまう通貨もありました。マスターノード運用にはそれなりの初期投資も必要になりますので自分が運用したい通貨についてよく調べて検討されるのが良いと思います。
報酬には限りがある?
マスターノードの報酬用に用意されている通貨は永久に続くわけではありません。そもそも各通貨には発行の上限枚数が設定されています。そのため現在すでに市場へ流通している通貨に報酬用の配布通貨を足して発行上限枚数を超えると言う事はありえないのです。
ある程度確保されている報酬用の通貨をそれぞれ各通貨の配布ルールに従ってマスターノード運用者に支給されて行きます。その通貨はある程度の期間で枯渇してくる問題が発生します。
これはマスターノードに限らずビットコインなどのマイニングによる報酬も同じで、発行上限枚数まで全てマイニングにより採掘しきってしまった後はマイニングによる通貨の配布ができなくなります。つまり、マスターノードやマイニングは先行者利益の要素が強い性質があるといえます。
報酬の種類はいくつかある
なお、配布できる報酬用の通貨がなくなったからといってマスターノード運用に対する報酬が完全になくなるわけではありません。通貨毎に違いはありますが例えばビットコインであれば新たに発行する通貨以外に通貨の利用者から得られる取引手数料も報酬として支払われます。
- 報酬1:新規に発行される通過
- 報酬2:利用者からの取引手数料
そのため、配布用の報酬がなくなる頃までに通貨の利用者が十分に増えているか、そして、通貨のレートがそれなりに上がってきているかということが重要になってきます。利用者が十分に増え、通貨レートも十分に上がっていればノードとしてコンセンサスアルゴリズムに参加し利益を出していけるだけの報酬を得ることができるようになります。
マスターノード収益化のポイント
- ポイント1:将来的に通貨の利用者が十分に増えるか
- ポイント2:将来的に通貨のレートが上がるか
通貨自体に利用価値がなければ利用者が増える事はありませんしレートも長期的に見て上がり続けることが難しくなります。単純に報酬のリターン率のみを気にするのではなく通貨そのものに継続性があるのか見極めておくことが大切です。
今日のdot
アルトコインのマスターノードはビットコインのフルノードと同じような機能持っています。- ルーティング
- ブロックチェーンデーターベース
- コンセンサスアルゴリズムを使った分散的合意形成(ビットコインならマイニング)
- ウォレット
マスターノードを運用することで各通貨のブロックチェーンの分散的合意形成に貢献することで報酬を得ることができます。