単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】とは
- 公開日:2018/07/05
- 更新日:2018/10/19
- 投稿者:n bit
チャートのテクニカル分析においてはかなりの頻度で利用されている単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】。単純移動平均線の特徴やその求め方、また、トレードにおいての活用法、現状のトレンドの見極め方などを解説しています。
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単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】とは
単純移動平均線とは、いくつかある移動平均線の種類の中でも1番シンプルなもので、【SMA(Simple Moving Average)】と表示されたり呼ばれたりしています。チャートのソフトなどによっては単純に『MA(Moving Average)』とだけ表示しているものもあります。
もとは統計分析などで利用されていた分析手法で、相場の分析にも有効的に利用できると言うことをチャート分析家ジョゼフ・E・グランビル氏が広めました。
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】の概要
数多くあるテクニカル分析指標の中でも計算式が簡単で理解もしやすく容易に利用できるため非常に多くの方に利用されている基礎的な指標の1つです。主にトレンドフォローを分析する指標として利用することができます。
チャートでは通常ローソク足の上に単純移動平均線を重ねて表示させます。下記のチャート上でローソク足の上に黄色のゆるやかな波線があるのがわかると思います。こちらが単純移動平均線になります。
移動平均という言葉からもわかるように、各ローソク足の値の平均値を算出してグラフ化しています。移動平均線は算出に利用する期間と値を任意で設定することができます。例えば、MA (Moving Average)の横に『10, close』と記載されていますよね。
これは算出に利用する期間を10、値をclose(終値)で設定していると言うことです。このチャートは日足のチャートですのでキャンドル10本分の期間と言う事は10日間の終値で移動平均を求めたグラフになります。
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】の求め方
単純移動平均線の求め方を、先程の日足チャート『MA 10, close』の事例を使って説明していきます。
期間が10、値が終値ですので本日を含めて直近10日間の終値を全て足し合わせ10(10日間)で割ることで本日の移動平均値を求めることができます。
移動平均値の計算式
- \(\displaystyle \frac{ 本日の終値 + 昨日の終値 + ・・・ + 8日前の終値 + 9日前の終値 }{ 10 }\)
1日ごとに同じ計算を行い算出された移動平均値を線で結ぶことで単純移動平均線を引くことができます。
移動平均値はどの価格を使って算出すべきなのか?
先程の移動平均値算出事例では『終値』を利用して計算しています。多くの場合単純移動平均線を引く場合は終値を基準として計算されていることがほとんどです。
終値以外にも始値、高値、安値などを利用して計算する方法や、終値、高値、安値の平均値を使って計算している方もいます。何か特別な意図がない限りは『終値』を利用して計算するので良いでしょう。
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】の活用方法
単純移動平均線は主にトレンドフォローの分析に活用されトレードに利用されています。
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】を使ったトレード
単純移動平均線を使ったトレンド転換の判定の仕方は、下降トレンドから上昇トレンドへの転換は移動平均線をろうそく足が下から上へと抜けていく、上昇トレンドから下降トレンドへの転換は移動平均線をろうそく足が上から下へと抜けていくことで判断します。
- 下降トレンドから上昇トレンドへの転換:移動平均線をろうそく足が下から上へと抜けていく
- 上昇トレンドから下降トレンドへの転換:移動平均線をろうそく足が上から下へと抜けていく
例えば、下記のチャートでは①のところで移動平均線をローソク足が下から上と力強く突き抜けています。ここで下降トレンドから上昇トレンドに転換したと判断し買います。
そして、②のところで移動平均線をローソク足が上から下へと突き抜けています。ここで上昇トレンドが終わり下降トレンドに転換したと判断し売ります。
ろうそく足が移動平均線を突き抜けたときの移動平均線の角度や向きも判断材料として利用できます。上記のチャートでは②の部分の移動平均線の角度は水平よりもまだやや上向きのように見えますよね。この場合本当に上昇トレンドが終了したのかどうかの判断に迷ってしまいます。
そのため移動平均線の向きも完全に下向きへと変化してから下記のチャートの②の部分で売るトレード手法もあります。
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】を使ったトレンド判定
上昇トレンドの間は移動平均線をローソク足が下から上に突き抜けて以降、基本的には移動平均線の上側にローソク足があります。
逆に下降トレンドの間は移動平均線をローソク足が上から下に突き抜けて以降、移動平均線の下側にローソク足が常にあります。
- 上昇トレンド:移動平均線の上側にローソク足がある
- 下降トレンド:移動平均線の下側にローソク足がある
この様に単純移動平均線のどちら側に長期間ローソク足があるかで現在のトレンドの方向性を把握することができます。
TradingViewで単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】を表示させる
仮想通貨等のトレードでよく利用されているチャート分析ツールTradingViewで単純移動平均線を使う方法を下記のページで解説しています。
TradingViewで単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】の使い方
単純移動平均線の期間や算出に利用する価格の変更方法、色や線の太さなどのスタイル変更方法、複数の単純移動平均の表示のさせ方、デフォルト設定の変更方法などをキャプチャー画像を使ってわかりやすく説明しています。
TradingViewは無料でも利用することができますのでお試しください。TradingViewの新規登録方法は下記のページで解説しています。
TradingViewの新規登録手順
TradingViewは、トレードに関する数多くの指標を閲覧したり、トレード戦略をバックテストにて事前確認したりできます。今回はそのTradingViewの新規登録手順を解説します。登録作業はとても簡単に終わります。
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】をPythonで算出
単純移動平均線はルール作りなどが容易でプログラムなどと相性が良いためbotの戦略としても利用されています。下記のページではPythonプログラミングを使って単純移動平均線の求め方を解説しています。
Pythonで単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】を算出する
Pythonで単純移動平均値の算出や単純移動平均線の描画を行います。単純移動平均線を使ったトレードルールは容易に設定でき、具体的な売買シグナルを出すことができるためbotなどの自動取引を行うプログラミングと非常に相性の良いテクニカル分析指標です。
今日のdot
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】は、トレンドフォロー系のテクニカル分析指標で、現状のトレンド判断やトレンドフォロー利用したトレードなどに使われます。
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】を使ったトレードタイミング
- 買い:移動平均線をろうそく足が下から上へと抜けていく
- 売り:移動平均線をろうそく足が上から下へと抜けていく
単純移動平均線【SMA:Simple Moving Average】を使ったトレンド判定
- 上昇トレンド:(長期間)移動平均線の上側にローソク足がある
- 下降トレンド:(長期間)移動平均線の下側にローソク足がある
いずれも、期間と移動平均線の向きや角度とも合わせて見ていく必要があります。