仮想通貨の基本ブロックチェーンとは?
- 公開日:2018/03/01
- 更新日:2018/10/19
- 投稿者:n bit
仮想通貨の土台となるブロックチェーンに関する技術を詳しく理解していこうと思うとP2P、各暗号化技術、1方向ハッシュ関数、ビザンチン合意アルゴリズム、電子署名、PKI、タイムスタンプ等、数多くの技術やアルゴリズムに関する理解が必要になります。
今回はそのような難しいことをとりあえず横に置いておいてブロックチェーンがどのような仕組みで、どのような特徴持っているのかということをざっくりと理解することを優先的に進めていきます。例えなどを使って出来る限りわかりやすく理解し仮想通貨が楽しくなることを目的として書いてみました。
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ブロックチェーンとは何?
仮想通貨の事について調べ始めるとまず最初のほうに出てくる用語として「ブロックチェーン」があります。このブロックチェーンは仮想通貨を支える基本的な仕組みであり理解できると仮想通貨のことがもっとわかりやすく、そして楽しくなります。
今回はこのブロックチェーンについて簡単に説明していきます。
ブロックチェーンとは「インターネット上で使うことができる【強力なExcel】」だとざっくりイメージしてください。笑、Excel?と思われるかもしれませんが、様々な機能の上に成り立っているとは言え、結果的にやってることといえば根本的にExcelとそんなに大きな違いはありません。
家計であればお金の取引履歴をExcelなどで家計簿としてつけていたりしますよね。通常のお金のやり取りは口座から口座や、お財布からレジへの取引履歴などを記録しますが、仮想通貨の場合はウォレットからウォレットの取引履歴を記録しています。
Note
ウォレットとは
仮想通貨のウォレットとはその名の通りお財布のようなイメージを持たれていると思います。あなたが購入した仮想通貨が入っていると。説明の便宜上、上記文章中でもわかりやすいように銀行口座と同じようなイメージ、または、お財布と同じようなイメージでウォレットと言う言葉を使っています。
本来ウォレットは通貨の取引データにアクセスするためのアドレスを管理しているものです。アドレスは公開鍵から生成されます。アドレスは取引履歴が紐付いている銀行口座番号、秘密鍵が暗証番号やインターネットバンキング等の取引履歴にアクセスすることができるパスワード等のイメージとして近いかもしれませんね。そしてこれらを収容しているものがウォレットです。
いずれにせよビットコイン等あなたの資産を管理するためのソフトウェアですので、このページでブロックチェーンのイメージを掴んでいく間は通常のお財布や、銀行口座と同じようなイメージにしておいても問題ありません。
ブロックチェーンの世界ではこのウォレット間の取引履歴の事を「トランザクション」と呼び、ビットコインのトランザクションが通常のお金の取引と同じように記録されているのが、このインターネット上で使うことができる【強力なExcel】≒【ブロックチェーン】です。
なぜブロックチェーンがこんなに注目されているのか?
それはただのExcelと比べてはるかに強力で有益なものだから!
ブロックチェーンの主な特徴を簡単に挙げますと下記の3つです。
- 24時間365日止まることなく使い続けることができる
- 1度記録したデータを後から誰も改ざんできない
- 特定の中央管理者がいなくてもシステムとデータの整合性を維持できる
これらがブロックチェーンが注目されている主な理由となります。
つまり、ブロックチェーンとは、あらゆるデータの取引履歴(移動歴)を、いつでも非中央集権的に信頼性を担保できる形で保存し続けるためのテクノロジーです。
24時間365日止まることなく使い続けることができる
これはインターネットサービスの場合、当たり前のように必要な条件ですが実現するのは非常に難しい事です。例えば、ウェブサイトは24時間365日いつでも見れると考えがちですが実はそうでもありません。
ウェブサイトはサーバと言う名のパソコンで管理されていますが、データを管理しているサーバの事故や故障等によりサービスが停止してしまう可能性があります。ウェブサイトを管理している人の人的ミスや故意に公開が止められてしまうこともあります。
「あの時為になった記事をもう一度見たいのになくなってる!」そんな経験1度はありますよね。
その他にも、テレビ番組などで商品サービスが紹介された時その商品サービスを掲載・販売しているサイトにアクセスが集中しサーバのダウンによりウェブサイトを表示することができなくなってしまうことは多々起きています。
インターネットサービスはこんなにも脆く、24時間365日提供すると言う理念の実現はとても難しいことなのです。
しかし、ビットコインは初めてのトランザクションが2009年1月4日に行われてから実に9年もの間、今まで1度もシステムが止まることなく稼働し続けています。
何気ないことのようでこれはとても驚異的なことです。
なぜブロックチェーンは止まらないのか?
通常のインターネットサービスはサーバとなるパソコンが1〜数台位で稼働しています。数台で稼働している場合でも結局は数台で1つの機能を果たしているだけで実質大きな1つの塊でしかありません。そのためこの1つが停止するとインターネットサービス自体が全てストップしてしまうのです。
ブロックチェーンはこれと全く真逆で非常に多くのパソコンによってシステムが提供されています。そのため数台のパソコンが停止しても悪意のあるデータを送ってもサービスそのものがストップしてしまう事はありません。
非常に多くのパソコンが同じような仕事をしているため数台止まったところで他のパソコンが仕事をしてくれるので全く問題がないといったような感じで捉えておけば大丈夫です。
1度記録したデータを後から誰も改ざんできない
ウェブサイトがハッキングされてしまいサイト内の情報が勝手に書き換えられてしまったなんて事は世界中で日常茶飯事に起こっています。しかし、このようなことがお金の代わりとなる様なビットコインなどで起きてしまうと大変なことです。ある朝起きたらあなたの資産が全て0になっていたなんて事は想像したくありませんよね。
そのようなことにならないためには1度記録したトランザクションのデータをたとえ誰であっても後から改ざんできない、そして不正を行うことができないといったことがとても大事な機能の1つとなります。
ブロックチェーンはそれを構築する様々な暗号化技術等のおかげで現時点の世界では記録したトランザクションデータを改ざんすることができないようになっています。
なぜ改ざんすることが不可能なのか?
まずは2重3重に暗号化されたデータをすべてのパソコンで共有しているため、複雑な暗号を解きながら取引履歴をさかのぼり、かつ、ネットワークに存在するパソコンが持つデータを同時に書き換えていく必要があるので現実的に不可能であると捉えておけば良いと思います。暗号化にはいまだ最適な解き方が発見されておらず、スーパーコンピューターをもってしても解を発見するのに何万年もかかると言われる数学的難問の応用が利用されています。約10分に1つのペースでデータのブロックが増えていくブロックチェーンを解読するにはどう考えても時間が足りません。
特定の中央管理者がいなくてもシステムとデータの整合性を維持できる
通常のウェブサービスの場合必ずシステムの中央に管理者となる企業や人がいます。当然ウェブサービスを提供している会社でありまたその中のサーバ管理者としての職を与えられた人間であればそのウェブサービス内の情報を全て一覧することや操作することが可能となります。
そのような人的ミスが起きないようにいくつものセキュリティーが組まれていたり1人の人が全ての権限を持って操作できない様になっていたりしますが少なからず1部であればそこまで難しくなく書き換えてしまうことができるのです。
大手企業と違い小さな企業が提供しているウェブサービスの場合は担当者1人で全てのデータを書き換えることすら可能だったりします。つまり、これらウェブサービスのシステムが改ざんされたり不正なく維持されるためにはそこに関わる人達を信用するしかありません。
ただ銀行等でも昨年内部の人間の悪意により数億円ものお金が横領されるような事件も起きています。中央で管理する会社のシステムを強化してもこのような事件は起きてしまうということです。
しかし、ブロックチェーンでは中央の管理システムを廃止することでそのシステムを維持している人たちを信用すると言う過程を必要としなくなります。そもそも中央の管理体制がないため上記のような危険性がなくシステムとデータの整合性を維持していくことが可能なのです。
中央の管理者がいなくてなぜシステムが整合性を保ったまま維持できるのか?
ブロックチェーンの仕組み自体には複数のインターネットに接続されたパソコンが参加しており、それぞれが直接つながりあい、全トランザクションのデータを共有することでシステムを運用しています。そして、それらのパソコンで合意形成を行うときに正しい選択をしたパソコンにのみビットコインを与えると言う経済的インセンティブを用意しています。
そのためシステムに関わる限り正しい選択し続けないとシステムに関わっていること自体に意味がないということになってしまいます。むしろデメリットとして継続的なコストが発生していきます。
このようにそもそも不正を働くこと自体に意味をなくし、それぞれをいちいち監視したり信頼を確認したりすることなく直接繋がりあったパソコン同士でシステムの整合性を維持しているのです。
これを実現したことがビットコイン最大の発明であり価値といえます。今まではシステムを流通する価値の保全には中央の管理者が必要でした。日本円であれば国家や日銀になります。それらの施策に振り回されることもなく、またそれらに頼ることもなく、ネットワークに参加するそれぞれの信頼性も確認する必要もなく全体として信頼できる仕組みを構築し価値を流通させそのトランザクションを管理できるようになったのです。
なお、中央の管理システムをなくすことで中央に大規模なコンピューターシステムや電気供給システムなどを用意する必要がなくなりシステムの維持にかかるコストを大幅に削減できます。報酬を得るためにシステムに参加するユーザたちが自前でパソコンを用意して電気代を払いシステムを維持してくれるためです。
その他にもメリットはありますが、主にこの3つがブロックチェーンの価値を担う特徴と言えるでしょう。
ブロックチェーンにはどんな未来が待っているのか?
日本では経済産業省等がブロックチェーンの会経済に与えるインパクトと可能性に気づき研究調査を継続的に行っています。経済産業省の資料によると日本国内でのブロックチェーンがもたらす社会変革によってもたらされる市場規模は67兆円相当に達すると予想されています。
サプライチェーンなどには特に有益性があるとみられ、実現した際にはかなり大きな市場規模を築くと思われます。
日々ブロックチェーンを元にした様々な仮想通貨がドンドンと登場してきています。それらのアイデアを見ていると今まではコストがかかりすぎて不可能だったようなことや信頼性の担保ができなくて実現できなかったようなことが今後実現していくと期待できる世の中に移行してきています。
私個人としてはインターネットとの融合性が非常に高いことに注目しています。そして、うまくシステムへの参加者を募ることができればブロックチェーンを活用したアイディアを実行する側が大規模なコストを必要としないため、大規模な初期投資やユーザからの高額な手数料を求めることなく実現していける可能性が高いことも大事なポイントだと考えています。
今日のdot
ブロックチェーンとは簡単に言うとインターネット上にある強力なExcelのようなもので、
- 24時間365日止まることなく使い続けることができる
- 1度記録したデータを後から誰も改ざんできない
- 特定の中央管理者がいなくてもシステムとデータの整合性を維持できる
上記のような3つの特徴を持っているため、改ざんされては困るデータの保存に非常に適しています。
つまり、ブロックチェーンとは、あらゆるデータの取引履歴(移動歴)を、いつでも非中央集権的に信頼性を担保できる形で保存し続けるためのテクノロジーです。
今日のdotはここまで!