税金確定の売り圧による仮想通貨の下落はいつ?影響度は?
- 公開日:2018/03/14
- 更新日:2018/10/19
- 投稿者:n bit
年初から続く大きな下落の後なかなかスムーズには回復しないビットコインの価格です。昨年はビットコイン長者も多く生まれ今年の3月の税金にはかなり苦しんでいる人も多いでしょう。この税金確定のための売り圧力がビットコインの価格に対してどれぐらいの下落インパクトを持っているのか、そしていつぐらいにそれは起こり得るのかを考察してみました。
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どれぐらいの税金売りが予想されるのか?
仮想通貨の税収は数千億円とも言われています。全てではありませんがこれらの1部が税金用に確定され売り圧力と変わります。
引用
「仮想通貨から生まれる税収は数千億円」。ビットフライヤー取締役の金光碧(35)は予想する。手ぐすね引く国税庁は職員自ら売買して課税の予行演習を繰り返す。浮かれる人、悔やむ人、羨む人、妬む人……。バブルの受け止め方は人それぞれだが、一番得をしたのは国であるのは間違いない。(敬称略)
これにより相場が下落すると予想されます。当然これによる影響度は大きいものになります。
実際に下がるとしてこれはいつぐらいに発生するものなのか税金の納付期日等から考えてみました。
納付期日
所得税の納付期限は通常2種類あります。現金で納付するか振り込みによって納付するかによって期日が変わってきます。
納付方法 | 納付期限 |
---|---|
現金納付 | 3月15日 |
振替納税 | 4月20日 |
納付期日に対する売り圧力が発生するタイミング
主に3つのタイミングが考えられると思います。
- 1:税額が確定する前年の12月末近辺(〜12月末)
- 2:現金での税金納付が発生する3月15日近辺(〜3月15日)
- 3:振り込みでの税金ノフが発生する4月20日近辺(〜4月20日)
あくまで予測ですが通常の多い順番で考えると1、3、2の順番になるかと思います。しかし、そこに今年特有の要因を加味して考えると順番が変動してきます。
1:税額が確定する前年の12月末近辺(〜12月末)
通常であればまずここでの税額確定を選択肢として1番に考えると思います。ここで税額を確定し現金を確保しておかないと1月から3月15日(もしくは4月20日)までの間に暴落が起きた場合、税金として納める現金が不足してしまう可能性があるからです。
ただし、前年は
- 仮想通貨の税金計算に関する法律が2017年12月に決定したこと
- 12月に出川さんのコインチェックCMによる新規参入者が一気に増えたこと
- 年末にビットコインが大幅に上昇したこと
などを考えると全額を確定させずそのまま持ち越した人も多くいると思います。
上記の理由から過去のチャートを見直してもあまり参考にはならないかもしれませんが、一応過去3年分のBTC(JPY)チャートを比較してみました。
やはりあまり関連性が見られないようです。
2015年と2017年のチャートには若干の関連性があり、全体的には緩やかな上昇チャート。そして中頃は大きく上昇を続けるが後半にかけて一旦大きめに下落。少し持ち直す傾向を見せながら翌年に遷移していく感じです。
Twitterを見ていると12月の前半あたりに全売りして利益確定させたツイートが若干見られました。12月の後半には全売りして利益確定させていた方のツイートがそれなりに上がっていたように記憶しています。
後半の大きめの下落には加熱された相場以外にも利益確定の売り圧力が影響していたと考えられます。ここの影響度に関しては今年初の確定申告を経験をして苦しんだ人が年末まで残っていれば今年の年末には大きめに影響してくるかもしれません。
3:振り込みでの税金ノフが発生する4月20日近辺(〜4月20日)
税金の納付方法は、多くの方がメリットの大きい振替納税の方を選択されると思います。現金納付を選択するよりも無利子で約1ヵ月も納付の日程を先延ばしできるからです。
また、ウェブサイトでも振替納税を進めていますし、窓口も混み合うため振替納税を進めてくれるのではないかと思います。
ただし、これも
- 普段個人で確定申告を行っていない人が仮想通貨での利益によって初めて行うケースが多いと予想されること
- そのため振替納税の仕組みや、メリットを知らない可能性があること
上記の理由から2番の3月15日までに現金納付する方が割と多いかもしれません。
こちらも過去3年分のBTC(JPY)チャートを比較してみました。2015年以外は全体的に上昇トレンドです。4月20日ぐらいまでは全体的に相場はおとなしく、2015年に関しては下落が続いています。18日から20日以降ぐらいで相場が一旦上昇のトレンドに切り替わっています。
2:現金での税金納付が発生する3月15日近辺(〜3月15日)
上記のことを加味して考えると実は1番少なそうな3月15日近辺の売り圧力が1番大きいかもしれません。
過去3年間+今年の3月のBTC(JPY)チャートも入れた比較です。全体的には横ばいから下落のトレンドです。15日までではなく17日から18日あたりで過去3年間は大きめに下落しています。
納期限の日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日が納期限となりますが、各3月15日の曜日は
- 2018年3月15日(木)
- 2017年3月15日(水)
- 2016年3月15日(火)
- 2015年3月15日(日)
2015年以外は関係ありません。
納付方法には現金だけでなくクレジットカードなども用意されています。また自己資金で納付をした後、手元資金に置いておきたい資金の足らずを得るために仮想通貨を精算と言うことも考えられますが割合としては非常に小さいと思います。
そのため過去3年間は納税による影響とは考えにくいです。今年のチャートでは3月15日までに2月の暴落以降の上げを何度か下げています。
- 仮想通貨の税金計算に関する法律が2017年12月に決定したこと
- 2017年は仮想通貨長者が生まれたこと
- 全体的な風潮として税金は厳しいと言うイメージが定着していること(実際厳しい)
そのためやはり3月15から4月20日あたりまでは特に警戒して見ていく必要があると思います。3月15から4月20日以降大きな売り圧力がなくなり緩やかにでも上昇していくことを期待したいですね。
海外の確定申告期間
日本だけではなく海外の確定申告も影響があると考えられます。調べてみてわかりましたが各国結構ばらつきがあります。影響度が大きそうな国は3月から5月付近に集中しています。
国 | 確定申告期間 | 納付期限 |
---|---|---|
日本 | 2月16日~3月15日 | 現金納付:3月15日 振替納税:4月20日 |
アメリカ | 1月29日~4月17日 ※2017年度分 | 4月15日 |
韓国 | 5月1日~5月31日 | |
中国 | 1月1日~3月31日 | |
イギリス | ~3月31日 課税期間:4月6日〜翌年4月5日 | |
ドイツ | 3月1日~5月31日 ※期限が毎年変わる | |
ロシア | ~4月30日 | 7月15日 |
オーストラリア | ~10月31日 課税期間:7月1日〜翌年6月30日 | |
インド | ~7月31日 課税期間:4月1日〜翌年3月31日 |
今日のdot
今年は
- 仮想通貨の税金計算に関する法律が2017年12月に決定したこと
- 2017年は仮想通貨長者が多く生まれたこと
- 全体的な風潮として税金は厳しいと言うイメージが定着していること(実際厳しい)
そのため3月15から4月20日あたりまでは警戒してチャートを見ていく方が良いと考えられます。
また、今年の年末は今年初めて仮想通貨の利益で確定申告を行い税金に苦しんだ人が市場に残っていた場合、前もって12月に精算してくる可能性があります。全体的な状況を見ながら12月に一つの考える指標として頭に留めておいた方が良さそうです。